まえがきのまえがき~だいぶまえの沖縄⑦~

~だいぶまえの沖縄⑦美ら海水族館

4日目の今日は、いよいよ美ら海水族館へと向かう。
開館して間もない時間のはずだが、既に車の列ができ始めている。
しかし、立体駐車場が大きい為か、意外と早く中に入れた。
駐車場から緩やかに坂を下ってゆくと、傾いた広場の向こうに海、そして、帽子のような島が見える。
のどかな海の景色に、自然とデジカメに手が伸びる。
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そして、更に入口へ進むと、エスカレーターの向こうに紺碧の景色が飛び込んできた。
「どう?」
と妻が嬉しそうに案内する。
参りました。
これは人に見せたくなる風景だ。
斜面に沿うように造られた水族館は、螺旋のように下りながら、様々な種類の魚達を泳がせている。
魚に興味のない自分でも、泳いでいる魚の名前を覚えようと、説明文と水槽を交互に見合わせている。
あいにく人が多くて、ゆっくりと照らし合わせる余裕はなかったが、人々が水族館に惹かれる姿にはじめて共感できた気がした。
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だいぶ下の方へと降りてきた頃、妻が「ここからは目をつむって歩いて」と言い出した。
なるほど、いよいよこの水族館のハイライトに近付いているのだとわかる。
人だかりの中を目をつむって、手を引かれながら進んでゆくと、まぶたの黒にほんのり青みがかった明るさが増した気がしてきた。
「いいよ」
妻の声で目を開けると、大きな青白い光が飛び込んできた。
その中に動いている大小様々な影。
青の大スクリーンが、目の前に広がっている。
集められた魚と人間、種の集合場所のようなこの場所でしばし立ち尽くす。
この光景を神様はどう見ているだろうか。
水槽にひき込まれていく人影をぼんやりと眺めながら、そんな事を考えていた。
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巨大水槽を更に先に進むと、普段見上げる格好をしないので、段々と気持ちが悪くなってくる。
そこそこ見ながらここまでやってきたが、ここを見尽くすには、もっと回数を重ねる必要がある。
人気のない時にゆっくりと来てみたいと思うが、年中人がいるらしいので、連泊にして通うのもいいかもしれない。

美ら海水族館をぶらついたあと、ぜんざいの有名な新垣ぜんざいへ行ってみた。
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今日は日差しが強くて暑い事もあって、人だかりができている。
あずきの上に氷がのっているこのぜんざい。
うまい。
沖縄の定番になりそうだ。
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近くにはきしもと食堂という沖縄そばの専門店もあったが、ちゃらうみで食べたモーニングが思いのほか多かったので、お腹も空いていない。
また今度。