いつかの那覇ぶら8

〜いつかの那覇ぶら8

 

早く寝たせいか、何度目かの目覚めで、なんだかもう眠れなくなってきた。

じっとりとかいた寝汗から、いつもと違う匂いがする。

時間は朝5時過ぎ。

なんとなく朝に呼ばれてる気がして、市場に行ってみることにした。

 

泊まっているホテルは歓楽街に近い。

名古屋でいうなら、錦3の北100mにホテルがある感じだ。

夜はキャバクラの客引きで騒がしい通りも、今はお店の帰りを待つタクシーが、静かに停まっているだけだ。

ここでは、ようやく昨日が終わったらしい。

 

通りを歩いていると、案外街灯が少なく薄暗い。

朝からやってるのか、朝までやってるのかよくわからない定食屋の明かりが街灯の代わりだ。

ただ、歩みを進めると、暗がりの向こうに、散歩する人や犬、掃き掃除をするおばあが見えてくる。

どうやら朝が始まった人達もいるようだ。

 

国際通り通りに出ると、通りはまだ昨日と今日の狭間にいた。

「やばい、5時で帰るつもりだったのに、こんな時間になっちゃた。」

夜更かし組と思われる若い男女が、終電に乗り遅れたような口調で話している。

午前5時と6時の間にどれだけの違いがあるのかよくわからない。

 

牧志公設市場に続く通りへ曲がりると、嫌な予感がし始めた。

アーケード街が暗い。

しかし、奥の方で明かりは見える。

行ってみよう。

近づいてみると、お菓子屋とブルーシールアイス屋が朝早くから開いていた。

一体誰が朝の6時にブルーシールアイスを食べるんだろうか。

そして、肝心の公設市場は、、

8:00〜」

市場だからといって、早朝からやっているとは限らない。

覚えておこう。