まえがきのまえがき~だいぶまえの沖縄②~

~だいぶまえの沖縄②最初の晩餐~

国際通りにある西南ホテルでチェックインを済ますと、早速国際通りへ向かった。
メインストリートは、何だか若者の街といった雰囲気で、若者向けのTシャツやお土産屋が多く、名古屋の若者と見かけはあまり変わらない。
みんな日焼けをしているイメージがあったけれど、どうやら沖縄の若い娘は美白が流行っているらしく、通りで見かける肌の白い子は、現地の子も相当いるらしい。
とまあ、そういったエリアはそのまま通り過ぎ、まずは夕食という事で、青島食堂へ。
小さい店には、煩雑に物が置かれていて、清潔とは言いがたい状態で、一人で切り盛りしている店長が、自分のペースに没頭するタイプなのか、後ろの客は何度か呼んでも無視されていて少し気の毒だった。
しかし、味の方は美味しく、台湾人(?)の常連のような客がいるところをみると、それなりにはやっているのかもしれない。
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オリオンビールでほろ酔いになりながら、市場のあるアーケード街に向かう。
歩いてみると結構広い。
韓国や台湾などの日本以外の東アジアにいるようで、旅情を掻き立てられる一方で、その曖昧さに、イデオロギーとしての不安を少し覚える。
日本で一番国境に近いエリアの一つという事と民族性は無関係ではない。
折しも、与那国島自衛隊配備がテレビで取り上げられたが、数日後、民主党政権によって、その方針は取り下げられた。
近隣諸国を刺激するような事はしないらしい。
さて、夜のアーケード街だが、9時近いこともあり、多くのお店は閉まり始めていて、目的の牧志公設市場も終了していたので、少し散策したあとタクシーで、東大というおでん屋に行くことにした。

9:30頃始まるという貼り紙が、閉まったシャッターに貼ってある。
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が、9:40を過ぎても店は開かない。
ただ人は集まってくるので、開くのはまちがいないのだろうが、このアバウトさが沖縄か。
結局10時頃にお店が開き、ようやく腰をおろしたと思ったら、案内された席がクーラー直撃で寒い。
場所を変わってもいいかと尋ねたが、ダメだという。
ほかにクーラーの好きな人はいないかと思ったが、しかたなくそのままメニューを待つことに。
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寒い。
寒い事への苛立ちに加えて、ここが2件目で少しおなかが埋まっている事が、おでんや焼きテビチへの魅力を半減させる。
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未消化の満腹感でお店を後にして、駅の近くのスーパーへ入ってみた。
クーラーはもちろん全開だ。
初日にしておなかの具合が低調なのがわかる。
沖縄の物価はどんなものかと、商品をひやかしてみると、地の野菜はもちろんだが刺身が割安な気がする。
そしてマグロが多い気がする。
豚肉も種類が多いらしい。
逆に大根のような寒い地方の野菜は高い感じがする。
そして、さんぴん茶(ジャスミン茶)が普通にメインのお茶として、茶葉でも、ペットボトルでも、自販機でも売っている。
これは少し羨ましい。
自販機には必ず霧の紅茶というフルーツティーみたいな紅茶が4、5種類あって、どれも無果汁だ。
本当にみんな飲んでいるんだろうか。
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そんな具合にスーパーを冷やかしていたら、モノレールの終電に乗り過ごしてしまい、結局タクシーでホテルへ戻る。
道路工事中の看板をなんとなく眺めていると、ふと足元ににゴキブリが死んでいる。
そして、その先にもう一匹。
沖縄はゴキブリが多いと妻に聞いていたが、ゴキブリの死骸を見るたびに、それを納得し始めた初日だった。