まえがきのまえがき~だいぶまえの東京セミナー前編~

~だいぶまえの東京セミナー前編~

研修セミナーで、午前から東京へ出発。
一件回ってからでも間に合うだろうと思っていたら、東京に着くのは11:30過ぎでそこから浅草の会場までの移動を考えると、意外に時間が無いことに気がついた。
向こうに着いてから食べると、きっと本番寝るだろうと見越して、名古屋駅でお昼を買って車内で食べる事にする。
お昼を探しに待合室へ行くと、急に旅行気分が芽生えてきた。
やっぱりここは駅弁か。
値段との兼ね合いをみながら、味噌カツ弁当を買ってみることに。

少し空いた待ち時間。
座って待合室の人々を眺めていると、マスクをしている人がわりといる。
自分もマスクをした方がいいかと思っていたが、買いそびれると、いつも通勤時にしていないのに、今日だけしていくのも何だかあまり意味がない気がして諦めた。

待合室でさっそく駅弁を食べてしまいたい衝動を我慢していると、一抹の不安がよぎる。
そもそも車内で食べられるのか?
いやいや、食べられるに決まっているのだが、両隣のサラリーマンを尻目に、味噌カツ臭を漂わせてむさぼる事が、はばかられるような気がしてきた。
降車してくる人の中に、食べ終わった後の弁当を持った人を確認する事で、気持ちの後押しをしてもらった気がして車内へ。

三人席の通路側、右隣はいないようだ。
しかし奥の窓際には女性が一人。
通路を挟んだ左にはサラリーマンが二人。
「ま、まぁいいだろう」
座ると同時に、弁当開封
そして左の女性のチラ見。
臆するな、そのままゆけ。
時刻は9時50分。
遅めの朝食か、早めの昼食か。
ブランチには、間の悪さだけが残るこの空気。
そんな気分をよそに、がっつりと満腹を約束してくれそうな駅弁さん。
ありがとう、残さず食べるよ(汗)。
食べる度に車内に放たれる弁当臭に反応するかのようにチラ見する女性を確認しながら、あせる気持ちとは裏腹に一口一口よく噛んで食べていく。
そして残念ながら、この味噌カツが美味い。
マイナス要素が、一つもない。
もうあとは食って寝るだけだ。
まっ、いいか。
食えば都。