だいぶまえの結婚式と熱海②

~だいぶまえの結婚式と熱海②~

翌朝、熱海後楽園ホテルのまでドライブをして、雰囲気だけ味わって、一路箱根を目指す。
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連休中とあって、峠は行楽中の車やライダー賑わっていた。
芦ノ湖周辺は予想通り渋滞が始まっている。
早めに来てよかった。
せっかくだから神社へ行きたい、という妻の希望でまずは神社へ。
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そしてせっかくなのでと、家族を遊覧船乗り場まで見送ると、一人車で北の停泊所まで向かう。
途中、高台から打ち降ろすゴルフの打ちっぱなしを発見し、リゾート感がじわじわと沸いてきた。
目的地に近づくと、またにわかに渋滞が始まる。
1日こんな感じなのかと思うと不安になってくる。
とりあえず家族と合流し、一回ホテルへチェックインして、ロープウェーで移動することにした。
しかし、着いたロープウェー乗り場で、強羅方面は行きも帰りも90分待ちでやめた方がいいと告げられる。
今回は大涌谷までにしておこう。
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とりあえずでやってきた大涌谷たが、かなりの人でごった返していた。
臭いを通り越した刺激臭を時々感じながら、黒い茹で玉子を食べ、人の渦の中に巻き込まれる。
ここまで人の多い高原は他にないんじゃないか。
山間の向こうに見える東京や横浜とおぼしき街並みは、妙にそれを納得させるものがある。
何を今更だが、それを今回思い知った。

大涌谷カレーを食べることもなく、車に戻りふもとの方へ食を求めて下ると、反対側の車線は芦ノ湖付近まで数キロは渋滞している。
強羅の宿泊客だろうか、今が17時くらいだから、宿に着くのは何時なんだろうか。
帰りは別の道を使おう。
こんなに何をするにも渋滞を気にする観光地は始めてだ。
さて、目下の夕飯だが、なんと17時でほとんどの店が閉まっている。
一件だけ開いていた喫茶店に仕方なく入り、全員わかさぎカレーを注文。
意外にフライが美味しい。
まずまずの満足感で店を出ると、さっきまでの渋滞が嘘のようになくなっている。
あれだけの車が小一時間で宿におさまったらしい。
ほっとした一方で、もう少し時間をずらしたら強羅のあたりでご飯を食べられたんじゃないかと思えてきた。

道も空いたので、せっかくなので強羅方面へ晩酌の買い出しに行ってみる。
強羅界隈は坂の傾斜がきつく、斜面に宿やら保養施設が立ち並んでいるが、派手な感じではなく、どこかひっそりと楽しむ雰囲気があって、それがかえって日常から切り離された落ち着きをもたらしていた。
お忍びでくるイメージしかなかったが、
こうしてその場にくると、いつか泊まってみたい気持ちが膨らんでくる。

界隈を少し回って、一件だけあったデイリーでお酒とおつまみを調達してホテルへ戻ると、お目当ての富士山が見える露天風呂へ

が、残念ながら富士山の周りだけ雲がかかっている。
時々シルエットが見えて、もしやと思わせたが、それ以上は望めなかった。
朝早めの方が、見られる確率が高いらしい。
さっぱりしてお風呂を出ると、ロビーでは
ピアノ演奏が行われていた。
音大生と思われるメガネのお兄ちゃんが、せわしく曲を探しながら弾いている。
曲によってモチベーションが違ったりするが、選曲に対してアレンジのリクエストにも答えてくれる。
次の演奏時間の合間には、明日結婚式を向かえる新郎が、新婦の為にピアノを披露した。
エナジーフロー」を奏でる新郎をよそに、写真ばかり撮っている新婦。
座って聴けばいいのに。
そして、再びピアノマン登場。
湯上がりに浴衣、ロビーにピアノ。
ゆったりとまったりとメロディーが流れている。
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部屋に戻ると、家族で晩酌が始まった。
妻の精神論と弟のオカルト好きが、妙な華を咲かせて盛り上がる。
二人には似ている部分を感じていたが、今日それが何なのか、なんなとなくわかった夜になった。