だいぶまえの休日の始まり

～だいぶまえの休日の始まり～

明日のウィキッドの大阪公演に、いつ行くかで迷っている。
当初経済的に車も考えたが、外は雪模様。 このままだと公共交通機関にも影響が出る気がして、今日出発を提案。
今回は初めて高速バスを使ってみることにした。
出発まで3時間を切るか切らないかだが、二泊分の宿も決まっていない為、ギリギリまで宿探しに手間取り、ダッシュで駅へ。
妻が口の中が血の味になる程急いで走り、とりあえずホームにやって来た電車に乗り込んだ。
本当に間に合うのか不安になってきて、携帯でルートと時間を調べると、地下鉄経由でギリギリ間に合あうか。
幸い乗った電車が急行だったが、これが普通だったらアウトだったという、綱渡りでここまで来ていた事に気付いた。
乗り換えも、名古屋駅に着いてからも駆け足でなんとかバス停に到着。
ギリギリにも程があると、我ながら思う。

せっかくの休日の大阪なので、i-podをイヤホンでかけて、心を落ち着ける。
雪の影響なのか、バスは東名阪を亀山方面へ走っていく。
仕事で使うルートだっただけに、ポイント、ポイントで仕事の記憶が呼び起こされる。
受注できなかった仕事の事ばかり思い出して、口元が自分を罵倒しようとしている。
気をそらそうと音楽に耳を傾け、窓の外に目をやると、やがて大きな川が見えてきて、窓の遥か向こうに名港トリトンが見えた。
薄曇りのせいか、発電所の煙突はあまり見えなかったが、休日へ導くように空はどこか優しさを湛えていた。

四日市、亀山を越え、トンネルを抜けると雪景色だった。
休憩ポイントで一息つくと、バスは再び大阪へ向かう。
大阪に入る頃、曲がJosh Grobanに変わった。
February songが大阪の景色と共に染み込んできて、ようやく休日を迎えた。