だいぶまえの本音

~だいぶまえの本音~

会議が終わり会食の時間。
上司達と中国の話や昔の話をしているうちに、自分が入社した頃の話になった。
正直始めはいつ君に引導を渡そうかと思ったよ。
改めて上司の口から言われると、思った以上に残る。
ベテランの先輩から、顧客を引き継ぐ時も大丈夫かと思ったが、先輩の方が大丈夫だと言ったらしい。
結果的に彼の言っていた事は当たっていた、と笑って言う上司。
先輩が心からそう思っていたかどうかはわからない。
でも少なくとも、その後に頑張っていたとしたら、それはその先輩の積み上げたものをなくさないようにと思った事と、同い年の先輩が、自分を少しでも引き上げようとした事に報いる為だと思っている。
見限っていた人の為ではない。
二人の先輩がいなかったら、もっと早く辞めていたと思う。
そういう意味では、人に恵まれているのかもしれない。
酔った勢いで、
「僕もいつ辞めようかと思っていました」
と、言いそうになってやめたのは、それに気が付いたからかもしれない。