だいぶまえの転職

~だいぶまえの転職~

友人から着信が入っていたので、久しぶりに電話をしてみると、転職をしていた。
しかも職種は繊維会社というまったくの畑違い。
その会社のホームページとネット販売の担当をしながら、営業をしているのだという。
ゲームを作るという夢を、職業という現実にしようと突っ走ってきた彼が、それを手放した事に少なからずショックを受けた。
それは、いいとか悪いとかではなく、なんとなく彼はそのまま進んでいる気がしたからだ。
ただその一方で、この先もその世界で進んで行くのだろうかと、ふと考えることもあった。
今回その話を聞いて、予想外と予感が重なって驚くという妙な感傷が訪れた。
ここの夫婦は同じ会社にいたので、子供が生まれると生活が同じの為、子供の面倒が見られなくなる。
そこで彼が、もう少し奥さんと違うサイクルで生活できる仕事に変えたらしい。
「自分の夢はゲーム会社にいることじゃなく、ゲームを作る事だから」と奥さんに話したその気持ちは、15年突っ走ってきた男の万感の思いに感じられた。

とか、思っていたら、早速週末に電話がかかってきて、
「いきなりなんだけど、何かやらない?
ゲーム作ろうぜ」
あっ、やっぱりそうなりますか。