だいぶまえの砂漠

~だいぶまえの砂漠~

ウーバリー砂漠の砂丘の中に、突如現れる池、ウム・アルマー。
絵にかいたようなオアシスの風景だが、砂丘地帯の湧き水には、濃い塩分が含まれているという。
この地方は、地表は乾ききっているが、太古の時代にたまった地下水脈があり、その水を汲み上げて大規模な農業に利用されているのだそうだ。
途方もない砂で覆われた地上と、その地下に眠る巨大な地下水脈。
その対比は、人の心に通ずるようでもある。
荒廃とも思える姿の下に携えた命の潤い。
僕達は、その水をいかに汲み取るかを考える力はある。
そして、いつかそれを地上の絶景に反映させる力も生まれるかもしれない。
自然は簡単に絶望したりしない。
人も自然の続きなら、
人の心もまた同じだと思う。