だいぶまえの大晦日②

~だいぶまえの大晦日②~

今年の大晦日のご馳走は、蟹のボイルではなく、蟹の天ぷらと寿司。
久々に男三人で、酒を酌み交わす。
会話もチグハグになることが多いが、案外そんなものかもしれないと最近は思ったりもする。
思い通りにいかない事に慣れてきたのだろうか。
話がすすめば、酒がすすみ、話が滞っても、食がすすむ。
いずれにしてもお腹いっぱいだ。
腹ごなしに家から持ってきたファミコンマリオブラザーズで久々に「殺し合い」をやってみた。
もう10年以上前の事なのに、殺しのテクは衰えていない。
弟恐るべし。
ひと盛り上がりしたあたりで、父は神社へ。
雪が降るのか、降らないのかわからないが、寒いことには代わりない。
テレビでは紅白のアイドルが多過ぎて気になる。
紅白で常連の歌手が今年で紅白を引退発表した事を、アイドルの誰かが「大それてますよ」と言っていた。
その発言自体大それてると感じたが、出る出ないを自分で決められる事に対する、羨みであったのかもしれない。
アイドルも大きくなると引退なんて事は、簡単にできない立場になるんだろうか。
そんな思いに耽っている内に新年が近づいてきた。
今年も年越しそばをジルベスターコンサートを見ながらすする。
その後少し遅めにという事で、1時頃に神社に向かうが、遅すぎて甘酒も汁粉もなく、会場は片付けモードに。
隣のグラウンドでは照明の下で高校生がサッカーをしている、、、わけもなく、静かな誰もいないグラウンドの上に、心の幻影のようなものがよぎった。
そういう記憶がある事に幸せを感じた方がいいかもしれない。