だいぶまえの差し迫り

~だいぶまえの差し迫り~

朝父親から電話があり、父方の祖母が弱っていて、あと、一日もつかどうからしい。
とうとうきたかという苦い思いと、またこの時期かという思いが絡み合う。
去年、母方の祖母の時に追われた感覚がよみがえる。
今日は、打合せ中の案件の値引きの件と、もうひとつの見積が重くのしかかる。
値引きを当たり前として話をすすめてくる担当さん。
事前に言われていた気がしたが、いくつも案件があって、どの件だったか忘れてしまったし、それを考慮して作成していない。
「値引き前提で、うちは見積は作っていません。常に最良の価格です。」
と、頭の中で啖呵を切ると、
「だから言ったじゃん。その事を考慮しておいてね、って。」
と、頭の中の担当さんがたしなめた。