わりとまえの音と光の切り絵

〜わりとまえの音と光の絵〜

 

興味はあったが今回もお金がなくて諦めていた、光の切り絵に、妻が連れてきてくれた。

今回は「音と光の絵コンサート」として、酒井敦美さんの切り絵と、池田綾子さんの歌との共演作品。

酒井さんの豊かな色彩から放たれる絵には、子供心のようなきらめきがあるのだが、その魅力は、それを引き出す影がしっかりと感じられる事ではないだろうか。

心の暗がりは、一見不安にも思えるが、じっと意識を凝らしてみると、何かを待ったり守ったりする止まり木のようだ。

そして、池田さんの歌は、大きくなるにつれて増えてゆく心の垣根を飛び越えて、最初の心にピタリと触れてくる歌声だった。

光は花、影は土。

プロジェクションマッピングとはまた違う郷愁のある、自分の最初に立ち返る時間になった。

子供達はもちろん、なかなか自分の中にいる子供に立ち返る時間のない大人に見てほしい、そんなコンサートだった。