まえがきのまえがき~だいぶまえの占い~

~だいぶまえの占い~

夕刊に「あすのあなた」という占いがある。
今日は「焦りは禁物、しばしの間退守を」
これは今日の事にしてみると、思い当たるフシがある。
普段話さない客先に珍しく話しかけたり、打合せを持ちかけたり。
焦っていると言えば、焦っているともとれる。
またしても占いに振り回されている。
入社した頃に携帯の占いの内容で、一日の気分を左右されていた頃が思い出される。


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卒業して社会人になった頃、会社に行くときの重苦しさをまぎらわすように、毎朝携帯の占いを見ていた。
占いが仕事をしてくる訳でもないけれど、とにかく自分以外の言葉を求めていたのかもしれない。

行かなくてはいけないから会社に行くのは、行きたい場所がはっきりしないからだ。
行きたい場所に向き合わず、その日の始まりを自分の人生として受け入れられない。
そうやって仮の一日を過ごしながら、社会人としての日々を受け入れるのに、結局10年近くかかってしまった。

いまも、占いはたまに見るけれど、見ても景気づけのような感じだから、あまり中毒性はない。
こうしてみると、占いは今の気持ちの反射のようにも思える。